事例紹介
CASES
「Create Wow! And Smile! ~世界の人々に驚きと笑顔を!~」
セガトイズがさらなるグローバル展開のため「業務直結型プログラム」を導入した理由とは!
株式会社セガトイズ様
そのためにグローバル事業本部では語学力の高い人材を採用していたが、語学以外にも必要な視点があることに気づいた。
どうして神田外語キャリアカレッジ(以下、KGCC)のプログラムを導入することになったのか。
その経緯をご担当の大谷様、渡辺様に岡本がお伺いました。
目次
- グローバル展開における人材育成課題
- KGCCを導入した経緯と理由
- 実施した研修の内容と成果
- 参加者アンケートの結果
- 今後KGCCに期待すること
1.グローバル展開における人材育成課題
御社は中期経営計画において積極的にグローバル展開されると伺いました。
渡辺:セガトイズは「Create Wow! And Smile!~世界の人々に驚きと笑顔を!~」をミッションに掲げています。つまり日本国内のみならず、世界中の人々に向いていますので、グローバル展開についてはいままでも力を入れていました。人々のココロが動く、ワールドクラスのエンタテインメントを日本から発信していくため、高みを目指す指標として海外売上構成比率5割を目指しています。
そのためにグローバル向けに長期的に販売する仕組みを整えるため、マーケティングに特化した部署を新設するなど取り組みを強化してきました。
海外への販促活動を行うグローバル事業本部では語学力が高い人材の採用を進めてきましたが、実際にビジネスを進めていくとなると対象となる顧客先の国の事情や趣向も異なるものの、以前までは「日本人が作った日本人に対してのプレゼン」を“英語に翻訳”した資料を各国で使っていた実状がありました。
そのため各国で求められる“プレゼンでみられるポイント”を理解することが必要だと感じ、まずは社内の意識を高めるためにも、「グローバルスタンダードなプレゼン」とはどういうものなのかを知る機会を作ることにしました。
2.KGCCを導入した経緯と理由
なにをきっかけで当校を知り、導入いただいたのでしょうか。
渡辺: 最初はKGCCさん主催の、異文化理解やグローバルマインドセットに関するセミナーに参加させていただき、自分たちの課題を解決してくれるかなと思ったことがきっかけでした。
ビジネススキル研修であればいろんな業者さんともお付き合いがありますが、そこにグローバルというエリアに強みがあることがKGCCさんにお願いする決め手でした。
神田外語グループは、語学教育機関というイメージが強かったので、グローバルな視点を持つ講師が基本的な講演をしてもらえるという安心感もありました。
ただ代表の仲さんや岡本さんと打合せを重ねていくうちに、語学以外にも異文化理解はもちろんリーダーシップやマーケティングを主題として研修が可能であることを知りました。
実はもう1つの課題として、海外企画チームが伝えたいことが、文化の異なる客先に伝えようとしたときにしっかりと表現しきれているのか、販売チームともお互いに同じ認識でいたほうがいい、という意見がありました。
国内と同じやり方ではいけない、それは企画する側も販売する側も、同じように異文化理解を深めるワークができればいいと考えました。
そこにKGCCの講師でエンターテイメント業界に詳しい講師がいらっしゃったので、「海外での玩具マーケティング」というテーマで部署を連携させて実施することにしました。「マーケティング一般論」だと参加者もつまらなく感じてしまうかもしれませんが、テーマがまさにいつも仕事で取り組んでいることなので、参加する前から興味を惹きましたし、結果としてみんなが積極的に取り組む場になりました。
また事業部単体で実施する研修はこれが初めてでしたし、まずはベースとなることをやってみようということでしたので、ある程度スピード感をもって決めたいという意向がありました。それに対して迅速にご提案いただいたことも今回KGCCさんにお願いした決め手です。
3.実施した研修の内容と成果
<研修で学んだ・身についたこと>
- 企画・開発・営業に携わる社員の国際標準のプレゼンススキル
- ターゲット市場において効果的なプレゼン資料と訴求ポイント
- コミュニケーションを行うために必要な異文化理解とマインドセット
プログラム①:グローバルスタンダードなプレゼンを知るセミナー(内容一部抜粋)
プログラム②:米国玩具市場のマーケティング(内容一部抜粋)
当日はAチーム(チーム名:クリスタルズ)とBチーム(チーム名:Thank you so much!!)に分かれ、企画と販売の混合でワークをするようにしました。チームで1つ商品を選択して、学んだことを実際にプレゼン資料に反映させ、実演してもらいました。サプライズで社長の宮崎や役員にもオブザーブしてもらい、今回の研修がどう活かされているのかを直に確認することができました。
研修で学んだ・身についたこと
4.参加者アンケートの結果
研修に参加されたかたのフィードバックはいかがでしたでしょうか。
渡辺:セミナーを通して知識としてスキルアップできたことはもちろん、参加者同士のエンゲージメントを高めることができたことは、今回の研修で得た大きな収穫でした。
このワークを通じて販売メンバーは「企画部はこんな想いをもって商品を世界に届けたいと思っているんだ!」ということを知り、企画メンバーは「販売部が持つ疑問点を知り改善点が明確になった。」という視点を獲得することができました。
双方で何を必要としていたのか、が分かり合える良いきっかけになったことは、研修を受講したあと、いつもの業務でも同じことが実現できることを期待します。
参加者みなさまからのコメント
【研修で学んだこと】
- どうしても商品の売り部分を強調していたので、背景にエピソードを盛り込むことが相手を動かす(wowする!)ことになるのだと思った。
- 国ごとの文化の違いを知れたことで、どう対応すればいいのか具体例が参考になった。
- リサーチの情報源や情報収集の仕方を知ることで業務での新しい引き出しが増えた。
【研修を通じて得た気づき】
- 企画と販売が共同で作業したことにより、新しい視点で得た疑問点を事前にPPTに落とし込めた。
- 海外視点で考えるときに必要な知識と観点を学び、今までやっていないやり方ができた。
- 「英語ができれば収集できる情報に差が出る」と講師から学び、マーケティング担当として語学を学ぶ目的が明確になった。英語はそれを果たすためのツール。
5.今後KGCCに期待すること
岡本:KGCCでは今年からの活動として“業務直結型プログラム”を通じて「顧客企業の事業推進」と「人材の活性化」をミッションとしています。今回はまさにセガトイズさまの実務の中で研修を実施できたことがうれしかったです。モチベーション高い参加者のみなさまも目の当たりにでき、私も刺激を受けました。
大谷:そのコンセプトにはとても共感します。実際に私も研修中後ろからオブザーブしていて、社員が意欲的に取り組んでいることがわかりました。研修後もいいコメントがきたのはとても良かったです。今回は1つの商品を15分程でプレゼンしましたが、本番では1つを5分程度で伝える必要があり、社員からのコメントは「本番さながらの場面を想定して実践的なプレゼンを次回はやってみたい」というものでした。社員の目的意識が高まった証拠だと思います。
岡本:限られた時間でプレゼンをするためには、余計なことをそぎ落として、ちゃんと言葉を選んで、プレゼンの内容をもっと”polish”させていかないといけませんね。KGCCで最近人気の「業務アシスト型プログラム」では、語学教材を使うのではなく、受講者が実際に業務で使うプレゼン資料や送ったメール自体が教材になります。目的は2つあり、1つは文法的に間違えた文章や伝わりづらい表現を訂正してもらうことで、次回の業務ではそのまま仕事で使うことができます。もう1つは、講師はその文章についてフィードバックや質問をします。「相手との関係性からどうしてこの単語を選択したのか?」など受講者の考えを洗い出し、さらに改善の余地がないのか気づきを与えることで、業務パフォーマンスを上げることができます。
渡辺:それはいいですね。今回も「新しい視点」が業務でも良い影響があったので、ぜひ本番のデモンストレーションのような環境を作り出して、KGCCの講師からたくさんフィードバックを与えてほしいですね。
大谷:そうした気づきがあると、マーケティング視点としても、ある地域にはこうした提案をしたほうが良いのではないかという思考になっていくと思います。そこからなにかエポックメーキングな商品が生まれてくることを期待したいですね。そのためにも知識としてはしっかりと理解しておく今回の研修は最初の良い一歩になりました。
岡本:大切なのは、研修で学びが多くて役に立ったではなく、実際に業務で活かして成果として表れたかどうかです。「プレゼンの資料作りにかけてた時間が30%改善されました!」「プレゼンのコンペで競合に勝ちました!」というお声が届くことを期待しております。今後とも、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
セガトイズ(セガサミーホールディングス)は“壮大な旅を予感させる港”をコンセプトに、各会議室には世界の港町がネーミングされています。 お二人の粋な計らいで研修担当岡本の出身地である“YOKOHAMA”をアレンジいただきました。
今回のインタビュアー:神田外語キャリアカレッジ 法人研修部 岡本雄樹
岡本 雄樹 Okamoto Yuki プロフィール
大学の英文科を卒業後、大手英会話スクールとオンライン英会話を経て、2022年に入職。個人顧客及び法人営業の経験から、顧客ニーズに合った学習アドバイスや提案力に定評がある。1児の父として子育てにも奮闘中。趣味は息子と散歩がてら行う公園筋トレ。
担当講師からのコメント
プログラム①:グローバルスタンダードなプレゼン 講師:柴田真一
プレゼンの3要素―Contents(内容), Visual Aids(スライド・動画など)Delivery(伝え方)、―について、相手に響くプレゼンに仕立てるにはどうしたらいいかを一緒に考えていきました。Contentsは、盛り込み過ぎると、結局何が言いたいの?ということになるので、一番伝えたいメッセージを幹にして作っていく。Visual Aidsはあくまでaids(補完するもの)なので、全てを盛り込まずに、色に統一感を持たせたすっきりしたスライドに仕上げる。そして、Deliveryは、発音を気にせずに、pitch(音域)とpausing(間の置き方)ーアクセントをつけて全域を使い、強調したい箇所の直前や皆に考えさせるときに一拍置くーことを意識することがポイントといったことです。
商品を売り込むというセガトイズさんの立ち位置を考え、商品説明のみに終わらずに、相手を引き込む冒頭のちょっとした雑談、相手の反応をみながら挟んでいく相槌や質問、相手の質問が聞き取れないときの対処などのコツについても学んでいきました。
柴田 真一 Shinichi Shibata プロフィール
NHKラジオ講座「ラジオビジネス英語」講師 神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部 特任教授、 キャリア教育センター長。
みずほフィナンシャルグループ、 目白大学教授・英米語学科長を経て現職。上智大学外国語学部卒。ロンドン大学大学院経営学修士(MBA)。専門は国際ビジネスコミュニケーション。銀行員としてのロンドン15年、ドイツ5年の海外勤務経験を活かし、大学でビジネス英語、キャリア教育を担当する一方、企業向けの講演や英語研修の講師としても活躍中。
プログラム②:米国玩具市場のマーケティング
研修前のヒアリングから、参加される皆様は、日本の有力玩具メーカーの社員として、すでに高い専門知識、経験、ビジネススキル、語学力をお持ちであると認識しておりましたので、アメリカでの業務を想定して、下記の4点に重点を置き研修を進めることにしました。
- 生成AIを含め、「英語」を適切に操ることができれば、カウンターパートの企業のトップが何を考えているかはもちろん、エビデンス、マーケット/経営データなど、アメリカとのビジネスに必要な詳細な情報を入手できるようになること
- 「察する!」(日本文化)のではなく「言わなきゃ理解できない」アメリカにおいて、まず「話すこと」(スピーチやプレゼン)がとても重要であること
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2のため、アメリカ人に理解してもらえるプレゼンの型をマスターすること
-論理性・明快さに加え、WIFM (What’s in it for me?)やユーモア、本物感、自信(アイコンタクトを含め)の大切さの理解 -
アメリカという国は「差別化し目立つこと」「パッション(情熱)」「楽しむ」「ユーモア」が評価されるという認識を持つこと米国マーケットや企業と向き合う際に日本的な「自己抑制」は不要で「ここまで目立って、踏み込んで、楽しんでいいんだ!」という姿勢こそが、アメリカ人に評価され成功につながることを講義やプレゼンなどのアクティビティーを通じて十分ご理解いただけたと思います。
また、最終プレゼンでは、宮崎社長にもオンラインでご参加いただき、業務としてのリアルなフィードバックやコメントを頂戴することができ、より現実的・実践的な内容となりました。講師として、改めて業務直結(一体)型/具体的課題解決型の研修の効果・可能性を再認識したところです。
杉本 有造 Sugimoto Yuzo プロフィール
神田外語キャリカレッジ、神田外語学院講師
神田外語キャリアカレッジにおいて社会人向けリカレントプログラムや「英語・マーケティングの一体型企業集中研修」(米国などの海外市場進出目的)の講師(マーケティング)を務める。主な研究領域は、米国IT型自動車ビジネス(Autonomous Vehicle)、エンタメ、ファッション、カフェ/ファストフードチェーン、SNSマーケティングなど。横浜国立大学・大学院国際社会科学府修了・博士(経済学)。Pepperdine University, Graziadio Business School (Malibu, California)修了 (MBA)。横浜国立大学経済学部卒